2024年4月30日
東劇にてMETライブビューイング ヴェルディ『運命の力』を観てきました。
https://www.shochiku.co.jp/met/program/5504/
ヒロイン役のダーヴィドセンの歌、繊細な表現が行き届いていてすごかった。特に事故の直後の歌、壮絶でした。この役をこれ以上に歌える人いないんじゃないかと思いました。
キラキラ服着て戦争バンザイ歌ってた人、好き。この人とウサギ隊が出てくる場面が全部良いです。皮肉たっぷりで楽しくて。暗いストーリーの中で良いアクセントになっていました。
合唱団が大活躍。練習風景も見せてくれて、面白かった。講堂みたいなところで授業みたいに座って歌ってましたね。私は元合唱部員ですが、ああいうのは珍しいと思いました。いろんな出身国の人が集まっているので母音の練習を徹底的にやるそうです。
ヴェルディの音楽は、ドラマチックで盛り上がりますね~。これぞオペラという感じ。王道!
音楽、演奏、演出は素晴らしかった。でもお話にはモヤッとしました。時代劇ならまだしも、現代劇化すると「復讐」とか「決闘」とか言ってる男たちが愚かしく見えてしまうんですよね。お兄さんは父上絶対主義者過ぎるし、恋人も挑発にのってどうするの。
男の友情も、もろかった…
暴力で解決しようとしても空しいねってことでしょうか。戦争のせいで何もかもボロッちくなってしまいましたし。
かなり宗教色が強い話でもありました。そういえば俗っぽい修行足りなそうな修道士が出てきます。あの人面白かったな。
この作品、めったに上演されないそうです。上手い歌手を揃える必要があるからということですが、納得感を持ちにくいストーリーのせいもあるかなー。
でも観てるうちに陶然となってしまいました。あの音楽、あの熱唱にはやられますよ。
レアで上質な公演を観られて良かったです。
ものすごく久しぶりに行った東劇、変わってなかったな〜