「対決-巨匠たちの日本美術」

8/16 昨日 東京国立博物館で「対決-巨匠たちの日本美術」 展を見てきました。

雨降ってるし3時過ぎてるし、そんなに混んでないかなーと思ったのですが、甘かった。20分待ちでした。

会場内も混んでいて、他の人に邪魔されずに作品と向かい合うのはなかなか難しかったです。

展示はとても面白かったので、もっとゆったり見られたら最高だったのにと思います。

 

巨匠たちの作品を勝手に対決させちゃおう、というのがこの展覧会の趣向なので、私も勝手に勝ち負けを決めてみました。

純粋に 今回出展されていた作品だけを見ての判定です。

 

運慶VS快慶 地蔵菩薩像一体ずつの対決です。

大きさは運慶のほうが大きい。運慶のほうが座ってて、快慶のほうが立ってます。

おおらかで優しい運慶のほうが好きかなーと思ったけど、

快慶の端正で静かで張り詰めているような美しさも捨てがたい。

というわけで いきなりですが引き分け。

 

雪舟VS雪村 水墨画どうしで、でかい絵が多かった気がします。

う~ん はっきりいってピンとこなかった。

雪舟の達磨の絵は有名だなーと思ったけど そんなにこれ良い絵なのかな?

雪村の龍に乗った人の絵を見てみたかったけど、この日は出てませんでした。

この勝負も引き分けです。

 

永徳VS等伯 これは永徳の勝ちです。「檜図屏風」が良かった。

大木のうねるような枝ぶりが ど迫力でした。

かと思うと「洛外名所遊楽図」のように緻密な絵もあったりして。

等伯のほうはあまり印象に残らなかったな。

 

長次郎VS光悦 焼き物対決です。

素朴なお茶碗がいろいろありましたが、どこがすごいのかよくわかりません。

ただ宗達が描いた鶴の群れの絵に光悦が歌を書きつけた巻物があり、きれいでした。すごいコラボですね。ここは光悦の勝ちとしておきます。

 

宗達VS光琳宗達の勝ち。

雷神風神対決は甲乙つけがたかったけど、やっぱりゼロから描いた宗達のほうがすごいかなと。

わんこの絵もかわいかったし、蔦の道の屏風も さわやかでした。

光琳の菊の花にはおどろきました。すごい立体感、そして丸い!

お菓子の落雁みたいだった。

 

応挙VS芦雪は芦雪の圧勝です。だって芦雪のあの虎大好き!

襖からはみ出しそうな勢いだし、かわいいし!

応挙の虎は毛の質感がリアルで大したもんだとは思いましたけどね。

あと応挙の三美人と芦雪の山姥が並んでたけど、美人の美人度が微妙だったのに対し、

ヤマンバは完璧でした!

 

仁清VS乾山 よく似てました。ライティングの効果もあり、どっちもきれいでした。

尾形乾山はお兄さんの光琳とコラボしてました。フツーの四角い皿に見えたけど。

引き分け。

 

円空VS木喰 どちらも初めて見ました。

円空の自刻像が気に入ったので、円空の勝ち。

 

若冲VS蕭白は面白かった!エネルギッシュなお二人ですね。

中でも蕭白の「群仙図屏風」には目を奪われました。変なもんづくし。

あまりにも過剰で悪趣味なぐらい。どういうつもりでこんなものを描いたのかと思います。

天女?に耳掃除をされているあなたは なぜ白いガマガエルをおんぶしているの?

その後ろでは人面トカゲがフルーツ食ってるし・・・。

「唐獅子図」はかっこよかったです。

若冲はなぜか異常にニワトリ好きです。

奇抜さにばかり気を取られがちですが、実は両者ともちゃんと絵がうまいです。

今回は私には蕭白のほうが より面白く感じました。

 

大雅VS蕪村 十便帖・十宜帖は驚くほど小さく色紙ほどの大きさです。

蕪村の鳶鴉図が良かったので蕪村の勝ち。

 

歌麿VS写楽は適当に流してしまいました。

ここまで来たらもう疲れちゃいまして。

おしまいのほうに、それぞれが女の人を描いた絵が並んでましたが、

やっぱり全然違うと思いました。

いったい写楽ってきれいな人をきれいに描くことできたんでしょうか?

 

鉄斎VS大観 富士山対決。まったく違うタイプの絵でしたが、どちらも雄大で すがすがしい気持ちになりました。

鉄斎の ごつくて力強い富士山も、大観のぽっかりと色鮮やかな青い富士山も、どっちも良い。

お互いに引き立てあっているように感じました。

締めくくりにふさわしい対決でした。

 

以上で全部です。

これほどの作品はなかなか集まらないでしょうから、見に行って良かったと思います。

帰ってからも目録を見て あーだこーだ言って楽しめて、大満足です。